最近、維新の候補者公募や、政党化を巡る記事が、各社1面で相次いでいるので、「どうしてこの時期に?」「何か状況の変化があったの?」といった問い合わせを複数受けたので、実際のところどうなのか、私なりに分析してみました。
発端は、毎日新聞が11日付の1面トップで、「大阪維新の会:他党議員の擁立を検討…次期衆院選」という記事を掲載したことでした。
《橋下徹・大阪市長が代表を務める大阪維新の会が、次期衆院選に向けた政権公約として6月にもまとめる「維新八策」への賛同や理解を基準に、他党の現職国会議員の擁立を検討していることが分かった。「維新政治塾」による候補者発掘に加えて現職議員の擁立を図り、目標とする「過半数の議席獲得」を実現する狙いだ。国政経験がない維新に、国会議員が加わるメリットもある》という内容。
実はこれ、おそらく10日に共同通信が、関西1面級として配信した「独自ダネ」に引きずられた記事。
共同の独自ダネは、「維新、現職引き抜き画策 次期衆院選へ政党化検討 公募仕掛け政界流動化も」というタイトルで、《橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が次期衆院選に向け、現職国会議員を事実上引き抜き、政党化を図る検討に入ったことが10日、同会関係者への取材で分かった。同会幹部は既に与野党の衆参議員と非公式に接触。政党要件を満たす基準の一つである国会議員5人の獲得に自信を見せており、国政進出へ具体的な戦略を描き始めている》といった内容でした。
政党要件や、候補者を改めて公募する話については、担当記者の間ではある意味、周知の事実で、すでに複数社が報じているのですが、「事実上引き抜き、政党化を図る」という言葉を使ったところがミソ。表現の強さが、「ニュース」になり、毎日の担当者も、本社サイドから、「どないすんねん」と攻められたんだと思います。うちも似たような状況だったので、よくわかるんです。
実際、維新サイドには、現職からの売り込みは絶えず、維新幹部も各党の国会議員と「密会」を繰り返しています。
ただ、石原東京都知事の新党などの行方も不透明ななか、既成政党のさえない議員を寄せ集めても、逆に足を引っ張られかねない。各党の重鎮や有望株が離党してまで維新にかける決断をするには時期が早い。維新の国会議員がいないなかで、各党出身の国会議員をまとめるには、よほど調整能力に長けた幹事長がいなければまとめきれないとみられるが、適役が見当たらない|といった事情もあり、「現段階で、政党要件を満たすことを優先すると足もとをみられるだけ。まずは政策作り」という維新幹部の言葉は、本音だと思います。
11日朝のぶら下がり取材で、橋下市長は「なんで一面なのか。喫茶店談義みたいな話を載せたのが非常に疑問。何にもそんな話していない」とおかんむりでしたが、「いまこんなところであんな話をしても、何にも得にならない。むしろ維新の会の塾生に対して士気をさげるだけ」という辺りが市長らしい計算だなと思いました。
ある意味、政党化は既定路線の話ではあっても、維新サイドで何か新しいタイミングがあった訳でないというのが、実際のところだと思います。
じゃあなぜ、この時期に?。
私は、報道各社の春の人事異動に、その理由があるとみています。新しい体制になってからのご挨拶代わりの「独自ダネ」に、同じく新体制の社も、反応せざるを得なかったという感じではないでしょうか。
結果的に11日朝、維新幹事長の松井一郎知事が「いつもいってますけど、政策が一致する人としっかり、改革を実行できるようなチームをつくりたい」と発言したことを受け、11日夕刊では、読売までが、「維新、次期衆院選で離党議員擁立も…松井知事」という記事を1面掲載。そして、うちも、その読売に引きずられて「維新『現職排除せず』 松井幹事長、政党化視野に」という記事を1面に掲載した次第です。朝日は、「大人の沈黙」を守っていました。
何だ、そんなことで1面記事を書いているのか、とおしかりを受けるかもしれませんが、ひょんな拍子で出てきたひょんな情報が、その後の流れを決定づけることがままあるので、今回、うちは「大人の沈黙」を守り切れなかった。正直に打ち明けると、それが実情です。
by ~こめんとするあほぅ…
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